おまえの俺をおしえてくれ

9月16日出版 徳谷柿次郎の書籍『おまえの俺をおしえてくれ』寄稿エッセイブログ

「未確認飛行物体『K』」(記:丸山亜由美)

私は彼が怖くてたまらない。

 

一度も話したこともない存在が怖い。得体の知れない彼は、私にとっては、エイリアンやUFOと同じだ。

 

こんなことを書いたら彼の友人や家族、またはファンから怒られてしまうかもしれない。「どこの馬の骨ともわからないやつが、うちの柿次郎になんてことを言うんだ!」と。これからは長野の街を歩くだけで、小石をぶつけられてしまうかも。でも、どうか許してほしい。どうか、明日からも平穏な日々が続きますように。

 

こんな話を聞いたことがある。『人間は本来ポジティブな思考よりも、ネガティブな思考をする生き物である。』ああ、なるほど。たしかに原始時代から考えてみても、ポジティブ人間ばかりでは、きっと、人間はあっさり滅んでいただろうと思う。初めて炎を認識した初期ヒト属が、嬉々としてそこに飛びこまなかったからこそ、人類はここまで進化してこれたのだ。人というのは「よくわからない」に対して、まずは恐怖を抱く生き物、というのが通常運転ということになるだろう。

 

私が初めて徳谷柿次郎という人物を認識したのは「カニの真似をしている写真」だった。次に気づいたのは、自分が面白いと思っている地元の人たちの多くが、この人物をSNSでフォローしているということだった。抱いた感情は、よくわからないことへの恐怖だった。

 

ただ、もうひとつ感情が生まれた。それは、好奇心だ。人間というのは怖いという感情と一緒に「好奇心」という感情が生まれたりする時がある。その時の感情は、子供の頃、テレビで初めてUFO番組を見た時に似ていた。未知の存在への恐怖心と、世界が広がることへの好奇心。こうして私は彼のフォロワーになった。

 

ある日の朝、まだ肌寒い季節で、起きかけの髪の毛はひんやり冷たい。目覚ましを止めるために伸ばした手を引っ込めて、布団の中で携帯を開く。まだフワフワしている意識の中に、ひとつの投稿が飛び込んできた。

 

【暮らしに向き合う「家休」を取ってスローダウンします】

 

「「もっと家と暮らしに向き合いたい」という欲求が深く静かに沈んでいます。」

「あってないようなもんだけど、過去の放り投げてきた暮らしを取り戻したい。」

 

ある日の朝、飛び回っていたUFOが着陸した。その中から出てきたのは、生きた一人の人間だった。「私とは違う生き物だから。」そうどこかで安堵していたのに、現実は、エイリアンの正体は人間で、その人間は同じ想いを持った一人の人物だった。

 

きっと誰もが未知のものに恐怖を抱く。自分と違う価値観に対して距離を起きたくなったり。持っていることを忘れて、持っていないものばかりに目を向け、人を羨んだり。情けなくてかっこわるい、もう一人の自分に気づかないよう、自分に対する解像度を低くしたり。

 

けれど人類は未知への恐怖を抱きながらも、ロケットに乗って宇宙に行った。「よくわからない」への恐怖を持ちながらも、好奇心と共に自分の可能性を信じて、今日まで進化してきた。

 

私は徳谷柿次郎が怖くてたまらない。

 

一度も話したこともない人間が怖い。得体の知れない未確認飛行物体だった彼は、同じ地球人で、私にとっては、目を背けていた回答だった。「もっと自分の人生を生きろ」と投げかけてくる。

 

まだ肌寒い季節。

 

布団の中でうずくまっていた体を起こして、
ひとつ大きく背伸びをした。

 

プロフィール

丸山 亜由美

小さな平家をDIY、猫二匹と暮らす。4年間バスガイド勤務し、その後も様々な職を経験。その中でヨガと出会い資格取得、レッスンやイベントを開催。現在はwebライターの活動も開始、各メディアで執筆中。将来の夢は絵本作家。

 

おまおれエッセイ寄稿コンテスト開催中(8/20〜9/16)

アイデンティティを他者との対話で探る。今回の本のポイントです。テーマ「おまえの中の柿次郎を教えてくれ」でエッセイを寄稿してみませんか?

10名の方におまおれ本と黒磯本をセットでお送りします。

 

※詳細・応募フォームはこちら

『おまえの俺をおしえてくれ』エッセイ寄稿コンテンスト 受付フォーム

 

 

9/16 出版記念イベント開催@東日本橋CITAN

東京@東日本橋のホステル「CITAN」で出版記念トーク&販売会やります。トーク相手に柳下さん、石崎くん。DJはスリーパーさん。

40歳誕生日にかこつけて、お祝いに本を買ってもらう商魂たくましい催しです。

 

※イベント詳細・参加はこちら

www.facebook.com

 

書籍概要

■商品情報■
・今、自分は「ある」よりも「ない」だと思っている人
・自分の生き方に選択肢が「ない」と思ってる人
・いつか「ある」状態になりたいと思ってる人

この本はそんな人にこそ読んでもらいたい。


タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

huuuu-jp.stores.jp

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※この商品は「予約販売」となります。
ご予約(ご購入)いただいた方には、9/16より順次発送させていただきます。


■おしらせ■

Day1
日時:9月16日(金)
タイトル:徳谷柿次郎著『おまえの俺をおしえてくれ』出版記念パーティー&トークイベント
場所:CITAN(地図)
入場料:2000円(25歳以下無料) ※レジで書籍購入可能
トークゲスト:かもめブックス代表 柳下恭平さん、株式会社Backpackers’ Japan 石崎嵩人さん
開場:18:00 / トーク:19:00-20:00
DJ:dj sleeper / DJ KRO / DJ AKITO

 

Day2
日時:9月17日(土)
タイトル:スナック『夜風』 開店パーティ
場所:長野市鶴賀上千歳町1324-6 第一レジャーアイランド3F
時間:17:00-0:00
instagramアカウント:

https://instagram.com/snack_yokaze

 

2022年9月16日(金)東京を駆け巡ります!
→11時半〜12時半
@下北沢BONUS TRACK 路上たたき売り販売会

→14時〜16時
青山ブックセンター  出版記念トークイベント(ゲスト 柳下恭平、藤原印刷)

→18時〜23時
@CITAN(東日本橋) 出版記念パーティ(ゲスト 柳下恭平、石崎嵩人)

(詳細が決まり次第、続報をお知らせします)

 

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