おまえの俺をおしえてくれ

9月16日出版 徳谷柿次郎の書籍『おまえの俺をおしえてくれ』寄稿エッセイブログ

「徳谷柿次郎のゴリラ化に関する一考察 〜30代の移住・起業を通して〜」(記:藤原正賢)

徳谷柿次郎(以下、柿次郎さん)の著書、『お前の俺を教えてくれ』の表紙はゴリラである。本の中でも経営論としてゴリラとチンパンジーの対比が用いられた。筆者は、柿次郎さんとゴリラの関係について、単に「好きな動物」や「比喩表現」を超えた関係性を感じている。観察を続ける中で、興味・関心を持ち続けた結果、自らがゴリラに近づいているのではないかと感じ始めた。本レポートでは、ゴリラの生体的・社会的要素の獲得を「ゴリラ化」と定義し、起業や移住を経験した30代における柿次郎さんのゴリラ化について考察していく。なお、文献調査だけでなく、2017年以降は参与観察も行った。

 

1章:ゴリラへの関心の変化

柿次郎さんがゴリラに対して関心を持ったのは、養老 孟司・山極 寿一著『虫とゴリラ』(2020,毎日新聞出版) の影響が大きい。2020年8月3日に自身のtwitterにて、

「僕は人間がゴリラやチンパンジーの生息域から離れて、新しい土地へ旅立とうする時、ゴリラやチンパンジーが持ち得ない、好奇心が芽生えたと思ってるんです。未知の場所にはいいことがあるんじゃないかって」

わからないを増やす本能的な動機…

と、本を読んだ感想をツイートしている。当時は養老孟司氏に対しての関心が高く、「虫とゴリラ」という印象に残りやすいタイトルにも惹かれて購入しただけと思われた。しかし、ゴリラに対しての興味は一過性ではなく経営論や考え方の枠組みまで多岐に渡っていく。そして、初の著書の中でも一章をゴリラの話題に割いたのだ。

 

しかし、もともとゴリラに関心があったわけではない。2017年の70seedsの取材記事では、

「以前取材した旭山動物園の園長も『チンパンジーは大人みんなで子育てする』という話を聞いていて、チンパンジーでもできるのになんで人間にできないんだと。」

と、ゴリラと同じ霊長類のチンパンジーに対して関心を向けている。さらに驚くべきことに、柿次郎さんが編集長をつとめる「ジモコロ」の2017年6月の記事の概要として、

「もしもバナナが消えたら、動物園の動物にはどんな影響が? (略)ニホンザルチンパンジーオラウータンなど猿たちの主食はどうなる?そして他の動物への影響はいかに?」

と様々なサル類を取り上げる中で、ゴリラの存在が忘れられていたのだ。

 

柿次郎さんの起業は2017年2月、そして移住が2017年5月であることを考慮すると、チンパンジーを取り上げたのは、まだ起業・移住したての時期だったと解釈することもできる。では、2017年以降にどのような変化があったのか。身体的変化・精神的変化の2つの面から考察していく。

 

2章:肉体的要因でのゴリラ化

かつての柿次郎さんの特性の1つは「胃弱」であった。2015年〜2018年に使っていたプロフィールでは「顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。」と記載している。WEBメディアで「胃弱メシ」の連載を担当し、胃腸の弱い男・代表として、山梨にて開催されたイベントにも登壇している。

 

2012年〜2019年3月に執筆していた「柿次郎のブログ」にて、「胃弱」のキーワード検索をかけると、16件の記事が表示された(プロフィールも含む)。しかし、2017年〜2022年に執筆している「note」では「胃弱」のキーワード検索をかけても1件も記事が表示されなかった。「胃腸の弱い男・代表」と自負していた柿次郎さんの胃腸が強くなっていったのが明らかである。移住・起業を通して強靭な胃腸を手にいれたのであった。この点にゴリラ化の兆候がみられる。ゴリラが他のサル類(チンパンジーニホンザル)よりも遊動域が大きい。その理由として、幅広い食性と強大な消化能力が挙げられていた。

 

ゴリラは、繊維質のもの(根、葉、茎など)でも十分に栄養を吸収できる後腸発酵型の消化器系をもっている。柿次郎さんの消化器系がどのような進化を遂げているのかは分からないが、ゴリラ化が進んでいるものと思われる。

 

3章:社会的要因でのゴリラ化

「30代で出会った人の数は、1000人どころか10000人を超えているのかもしれない。」誕生日当日のfacebook投稿の一文である。柿次郎さんは、都心や全国各地で様々な人たちと出会ってきた。しかし、東京→長野市信濃町と徐々に人口規模が小さいエリアへと移住を繰り返している。

 

これは、ゴリラの社会において適正な集団規模を人間にあてはめると、150人が最大である点へとつながっていく。田舎へ移住し、適正な規模感でコミュニケーションをとっていくことこそが、今の柿次郎さんが望んでいることなのかもしれない。

 

4章:まとめ

胃腸の強靭化、コミュニティの縮小をはじめ、ゴリラ化について様々な面から検証した。

 

ゴリラは果実を好んで食べ、繊維質でタンニンを多く含んだ果実をよく食べる傾向もある。その結果、柿の仲間を食べていたことも分かるなど、柿次郎さんとゴリラには様々な関わり合いが見られた。

 

しかし、ゴリラは独占欲が強い。この思考は、広く情報を拡散させる発信者には向いていないようにも思われる。今後、情報発信しなくなるのではないか。その不安を変えたのは「カニ」との出会いである。現在、「現場宝石タラバガニ」を名乗り、様々な地域の可能性(宝石)を拾っているが、名乗り始める1年前に蟹への関心は存在していた。

 

これから「カニゴリラ」として、どのような進化を遂げていくのか、これからも目が話せない。

 

<参考文献>

山極 寿一(2005)『ゴリラ 第二版』一般財団法人 東京大学出版会

山極 寿一(2018)『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』毎日新聞出版

山極 寿一(2016)「『会話なくても信頼』150人まで ゴリラに学び 人を知る」日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASJB13H2V_T10C16A4AA2P00/

徳谷柿次郎「Huuuuの柿次郎のブログ」https://jet-set.hatenablog.com/

徳谷柿次郎「note」https://note.com/kakijiro/

70seeds「徳谷柿次郎が語る『利他』 社会を憎んだ少年の今」https://www.70seeds.jp/kakijiro-302/

 

 

プロフィール

藤原 正賢(ふじわら まさたか)

1994年生まれ。長野県長野市出身。大学在学中に、「信州若者1000人会議」や「小布施若者会議」といった、長野・地方へ関心の高い若年層を対象としたイベントの企画・運営を実施。現在は、長野県の移住総合WEBメディア「SuuHaa」をはじめ、行政や地元企業と一緒に、新たな人と情報の流れを生み出す事業に携わっている。

 

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タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

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「いちばんの先輩」(記:菊池百合子)

Webメディアでライターの仕事を始めて、4年半が経つ。

いくつもの編集チームとクライアントの方々にお世話になってきて、さらにインタビューを通じてご縁をいただいてきた。20代前半からこの仕事を始めたので、ありがたいことに先輩と呼べる存在がたくさんいる。その一人が柿次郎さんだ。

同じチームに所属したことはないし、一緒に仕事をした回数も少ない。でも「先輩」と言われていちばんに思い浮かぶのは、柿次郎さんだ。

 

7年ほど前、オウンドメディアブームが起きていた。ツイッターでよく見かけるWebメディアの“有名人”だった柿次郎さんは、生まれたばかりのジモコロを背負って地方をかけずり回っていて、私にとって「よくわからないけれどおもしろそう」と目で追ってしまう存在だった。

そして2016年、画面の向こう側にいた柿次郎さんと初めて会うことになる。ジモコロが地道につくり出してきたうねりが結実した、黒川温泉ツアーだった。

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/kakijiro017

熊本地震後の予約キャンセルが相次いだ観光地・黒川温泉に、ライターや編集者などの情報発信を得意とする100人を集めて、観光を楽しみながら発信を試みるツアー。主催は柿次郎さんとお仲間たち、そして黒川温泉の方々。

ツアーの予告記事に添えられていたのは、「『参加したい!」という方、情報発信にご協力いただける方は柿次郎までご連絡ください」の一文だった。

発信力もお金もない大学生が参加しても良いものか悩みながら、最後は意を決して送信ボタンをクリック。すぐに柿次郎さんから「仲間が増えるのは大歓迎なので、ぜひご参加ください」とお返事が届いた。

自分のことを知っている人が誰もいないツアーに飛び込んだ結果は、想像をはるかに超えて記憶に残る旅になった。

ジャンルがばらばらで普段は一緒に活動していなさそうなWebメディアの人たちが、一堂に会している。なぜなら自分たちのスキルの使いどころを真剣に考えているから。そして100人が行動をおこしたその真ん中には、柿次郎さんがいた。

思いの渦が、台風のように大きくなっていた。熱量のある大人たちが集まったらこんなことができるんだ、と目の当たりにした。

 

(Photo by : Kenichi Aikawa)

 

後から思えば、このとき熱量を全身で体感できた経験が、今の仕事にたどりつく最初の扉だったのだろう。この数年後、私もWebメディアの世界に入り、「地方」をテーマに取材をするようになった。そして熊本ツアーから4年後、柿次郎さんと再会する。

直接話すようになってからつくづく、柿次郎さんと私は、この仕事をしていなければ交わらない世界で生きてきたのかもしれないなと思う。

柿次郎さんが好きなものについて何も知らなくて、「きくちは何も知らないね」と言われてきた。実際いつも、言っていることの7割くらいはよくわからない。価値観の根っこが違うから、柿次郎さんの言うことに私がどうしても納得しなくて、妙な緊張感が漂った瞬間もある。

でもそんな私にも、柿次郎さんはずっと「先輩」でいてくれた。

私が自分で地方出張のスケジュールを詰め込んだ結果、文章の精度が下がりかけていたとき、すぐにその予兆に気づいてイエローカードを出してくれた。地方取材の先輩である柿次郎さんがずっと出張しているのだから自分も、と己の限界を確かめるべく移動していたあの頃の私にストップをかけられるのは、柿次郎さんしかいなかった。

柿次郎さんが関わる仕事の現場で、私が関係者に迷惑をかけてしまった夜のこと。全て終わってから柿次郎さんに報告の電話をしたら、ぼろぼろと涙がこぼれてきた。先輩の前で涙を流すことなんてほとんどないのに、「この悔しさを共有できるのがきくちでよかった」と言ってくれた声が、あまりにも隣にいてくれたから。

人生初めてのキャンプは、Huuuuの社員旅行だった。テントに泊まったことがない私のために「テントに泊まる体験ができるように」と道具を一式持ってきてくれて、私は一人だけ外で寝ることになった。他の先輩たちが止めようとしても柿次郎さんが「このままじゃきくちは一生テントで寝ないままだ」と言ってくれたおかげで、人生の経験値が一つ上がった。星がきれいな夜だった。

 

柿次郎さんが私を育てなければいけない理由なんて、一つもない。それでもいつも、つかず離れずの距離で見守りながら、たくさんのチャンスをくれた。そしてちゃんと、怒ってくれた。

おかげでライターとして歩き続けられたのだから、もうそろそろ私も「後輩」ばかりしていないで、ちゃんと柿次郎さんのように新しい道を拓いていかねば、と思う年頃になりつつある。

でもやっぱり、柿さんはこれからも、私にとっていちばんの先輩です。40歳のお誕生日、おめでとうございます。

 

 

 

プロフィール

菊池百合子

2018年からフリーランスのライターとして、インタビュー記事を中心にWebメディアや雑誌で執筆している。神奈川県で生まれ育ち、2018年に滋賀県へ、2020年に沖縄県へと引っ越し。

 

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タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

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「白いウソつき。」(記:今井雄紀)

経営者のとても大事な素養のひとつに、「ウソがつけるか」というのがあるらしい。

 

かつて有名な投資家に聴いた話だ。「この事業を絶対に成功させる」とか、「協力すれば大金をつかませてやる!」とか、あるいは「君を一生幸せにする」もそう。こうした、現実には保証不可能な未来を運んでくるからと言い切り、信用を集め、仲間を集めていく人。そして実際に、それらをウソじゃなくしていく人。その投資家はそれを「白いウソ」と呼んでいた。

 

徳谷柿次郎は、白いウソつきである。

 

「ノープランでも3日いれば面白い取材ができる!」と地方に出かけたかと思えば、「おれに着いてくれば大丈夫!」と会社をやめたばかりの若い編集者を誘って会社をつくり、「なんとかなるって!」と悩めるティーンに個人事業をすすめ、「やってこ!」と黒字化の目処どころか戦略すら立ってないなかで商店をはじめたりする。

 

独立直後の筆者にもうそうだった。即日、「おめでとうございます! お祝いになんか割のいい案件作って持って行きます!」と言って、翌週には仕事を組んでくれた。うちの会社の口座取引履歴、その最初の入金はHuuuuからのものだ。

 

今回の本もそうだった。「発売1ヶ月前にしてまだ書き上がってないけど、40歳の誕生日なんで発売日は変えません! がんばります!」出版業界をかじったことのある人間からすれば、これはもはや「ウソ」である。しかしこのウソもまた、白く塗りつぶしてしまった。

 

なぜそんなことができるのか。ふたりきりで飲んだ夜に聴いてみたことがある。徳谷柿次郎は「なんでやろ……」と少し考え込み、濃いめの角ハイをグイと飲んだあとにこう言った。

 

「そういう先輩をいっぱい見てきたからちゃうかなあ。“白いウソつき”の人たちがウソをウソじゃなくしていくのは見てて痛快で、かっこよかった。それに加担してるのもおもろかったし、いっぱい助けてもらったし。そのマネをしてるんやと思います。いや、マネしたい」

 

「おかわりください〜」。恥ずかしいこと言っちゃったという感じでごまかすように注文する横顔は、そりゃまあ、かっこよかった。なお、彼が出会ったかっこいい先輩たちの話は、『お前の俺をおしえてくれ』にくわしいので気になった方は一読を。

 

いまどんなウソをついているのか。最近ゆっくり話せてないので知り得ないのだけど、この希代の白いウソつきの行く末を、傍観者として、たまに当事者として、見届けていきたいと思っている。

 

 

プロフィール

今井 雄紀(いまい ゆうき)

編集者。株式会社ツドイ。好きな柿次郎は「酩酊寸前柿次郎」です。

 

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1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
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「揺さぶられるアイデンティティ」(記:ワカバヤシリョウタ)

毎日少しづつ心を削って仕事を続けてきた。この生活が続けばつまらない人間になると思い仕事を辞めた。仕事を続けていたらそれなりの生活を送ることはできた。辞めてからずっと頭の片隅で何かやらないといけないとモヤモヤしていたが、何もやる気にならず半年が過ぎた。自分がない、圧倒的なアウトプットもない、継続してきたこともない、仕事をしている周りを見て何もない自分に焦る。あと、自分が今何をしたいのかもよく分からなくなっていた。

 

出版カウンセリングRadioを聴いて、今の自分の「ない」と向き合って、何が「ある」のかを考えないといけないと思った。検索すれば情報がたくさんあるけど、自分が求めている「ある」は全然見つからない。どうやって、どこに向かったら「ない」から「ある」に変えられるのかを考えるが分からなくなった。

 

社会が求める「ある」の中で生きていけばその先に自分が求めている「何かある」と思って生きてきたけど、求めているものはなかった。みんながそうだというものを割と受け入れて生きてきた。小、中、高、大、就職をしたが、どこかに「何かがある」と思っていたけどなかった。でも、レールから外れることに不安があったのと、もしかしたら別の道に行くきっかけを教えてくれる誰かが来ると期待していたけどいなかった。

 

思った結果が出ないことがあってもそれでもやりたいと思うことを見つけられればいいが、社会的な価値観と合わない、お金にならない、誰も受け入れない、失敗する、意味がないとか理由をつけて挑戦してこなかった。就職したときには社会的に成立をしたい自分と、やりたいことを成立させたい自分がいたが、社会的に成立する方に全振りしていた。そして、働いている中で少し無理をして会社の価値観に合わせる自分と、このままじゃいけないと思う自分の間でずっと揺れていた。

 

今までお金や権力を持っている誰かの後についていけば安定した生活とかがあったと思う。今は権威も落ちて最後のあがきをしているように見える。そんな中でも、コンプライアンスなど社会の求められるものが多くなって、要求の量がどんどん増えてる気がする。社会的な価値観があちこち変わってく中で自分の中の悩み、迷い、好奇心がどこに向いているかが分からなくなるけど、落ち着いて整理する時間がない、立ち止まらせてくれない。だけどアイデンティティの確立とか、自己肯定感高くすることなどを求められる。

 

出版カウンセリングRadioを聴いて、柿次郎さんの人生の揺れの多さに自分も精神的にグラグラ揺れてしまいました。「ない」を「ある」に変えるには、根拠のない自信でもいいからそれを「ある」ものとしてやっていく、「ない」中の「ある」を見つけてやっていかなければ何も進まない。柿次郎さんのように本音でぶつかれる仲間はいないが、自分が素直でいれる場所を作って、そこで自分の力を出し切り、誰かの役に立てる人間になりたいと思っている。

 

 

プロフィール

カバヤシリョウタ

愛知県、1992年生まれ、半年前に退職のフリーター、柿次郎さんを知ったのは今年の森、道、市場

 

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2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
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「ローカル編集とサーキュラーエコノミー」(記:安居昭博)

2021年7月4日、僕は長野にいた。

 

「SuuHaa」や「OYAKI FARM」、「シシコツコツ」等、長野で様々なプロジェクトを手がける藤原正賢くんに紹介したい人がいると呼ばれ、東京から新幹線でやってきた。(藤原くんとは実はその2日前に松本の自然派ワインバー「peg」でたまたま知り合ったばかりだった。)

 

東京駅と比べると一昔前の雰囲気についつい肩の力を抜いて散策してみたくなる長野駅周辺。

 

チェーンでないからこそ東京では見慣れない個人店に目を奪われながら歩いていくと、その日のお店「だいだらぼっち」に到着した。

 

暖簾をくぐり藤原くんについていくと、薄暗く照らされた席に3人の男たちが横並びに座っていた。

 

軽く会釈をしながら、そそくさとテーブルとイスの間をカニ歩きして向かい真ん中の席につく。

 

「柿次郎です」

「だんごです」

「ヒュウガです」

 

挨拶とともに渡された名刺。

 

他の数多の人同様に「実名なんですか?」と思わず聞いてしまう。

 

たけし軍団のようにつけてみたんですよ。」という真ん中の男性がリーダー格のようだ。

 

風貌にも色々こだわりがありそうな3人。

 

名刺挨拶からのフォーマルなスタートとはいえ、日頃企業や行政とのやり取りが多かった僕はいつもとは違う雰囲気を感じとっていた。

 

そう、僕は柿次郎さんもジモコロもまったく知らなかったのだ。

 

まず手始めに色々な話題を出して共通域を探ると、オニバスコーヒーの坂尾篤史さんが当たったことを覚えている。

 

それから少しずつオランダやサーキュラーエコノミーの話題に移ると、3人ともグイグイと前のめりになってくるのが伝わってきた。

 

「フェアフォンすごい!」

ボトムアップ精神重要ですよね〜」

「Learning by doingって、まさに「やってこ!」」

 

と、僕がオランダのサーキュラーエコノミーを、そして3人が日本のローカル実践者を訪問し続けてきた中で見えてきた現代のキーファクターともいえる重要な要素が一つひとつ結びついてきた。

 

一年程前に帰国した後、黒川温泉や白馬村といったローカルに関わるなかで薄々と感じていた「サーキュラーエコノミーの視点では、日本の地方にこそ無数の可能性が見えてくる」という仮定。

 

それは柿次郎さんたちとの出会いで確信に変わっていった。

 

彼はそれを「サーキュラーエコノミーの眼鏡」と編集者視点でのわかりやすい表現にしてくれた。

 

「サーキュラーエコノミーの眼鏡をかけると、課題が可能性に、廃材が宝のような資源に見えてくる」。

 

本当にその通りだ。

 

その日の会合後の柿さんの投稿。

https://www.facebook.com/photo?fbid=4235682606470025&set=pob.100002763919312

 

まもなくして柿さんが、僕の本を100冊購入し長野で運営されている「シンカイ」で販売くださり、さらに出版イベントを企画中であることを拙書の編集者経由で知った。

 

「サーキュラーエコノミー実践、おもしろすぎるので100冊仕入れて著者呼びますね」

https://note.com/kakijiro/n/n192fe2a0c466

 

長野で参加者の感触を確かめた後に、サーキュラーエコノミーの眼鏡を掛けてさらなる可能性を探るべく、編集者の藤本智士さんにも加わっていただき、京都・秋田で立て続けにサーキュラーエコノミーイベントを開催した。

 

「藤本智士×安居昭博×徳谷柿次郎! 編集者二人がサーキュラーエコノミー実践者を挟む会」

https://mtrl.com/kyoto/event/211025_ce

「AKITA サーキュラー・エコノミー・ツアー」

https://note.com/re_satoshi_f/n/n22ed14055d87

 

Yahoo! Japan SDGsチームを巻き込んで取材いただいたときの記事。あの日長野の「だいだらぼっち」での出会いから、彼らの手によってサーキュラーエコノミーの考えが脈々と広まっていく..

https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/100.html

 

ご一緒させていただくなかで、紙媒体とは違った「地域の編集」という視点があることを柿さんと藤本さんから学ばせてもらった。

 

「地域編集 x サーキュラーエコノミー」の視点は非常に強力で、今でも自分の活動の軸になっている。

 

「ある分野の廃棄物が、別の分野の資源になる」というサーキュラーエコノミーの視点では、地域の例えば「建築・食・ファッション」や「企業・行政・教育機関」といったこれまで別領域だった分野と人が結びついてくる。

 

ミツバチが受粉して回るかごとく各地を駆け巡り情報を届け人を繋いでいく。

 

その先には地理的にも時間軸的にもこれまでにはない、自由で生き生きとした無限の可能性が見えてくる。

 

例えば秋田・長野・京都をつなぎ、これまで価値が見出されてこなかった経産牛を語るイベントを開催してみたり。

https://nikahonohokani.com/2022/02/5971/

 

岐阜・郡上を流れる長良川源流域をサーキュラーエコノミー視点で探ってみたり。

https://greenz.jp/2022/03/17/gujo_genryu-yugyo/

 

これまた柿さんにご縁をいただいたローカルデザイナー・須藤修さんと山形の可能性を探る旅を実行してみたり。

https://note.com/akihiroyasui/n/nf9d4558c8ad9

 

気がつくと取り憑かれたかのように、月の半分は見知らぬ地方を訪問するようになっていた。

 

藤原くんに繋いでいただいて一年が経った頃には、柿次郎さんとの共通の友人は250人を超えていた。(一年間で170人増、、笑)

 

あの日「だいだらぼっち」で出版から一週間後に柿さん達と出会ったのは運命としか言えないようにも思えてくる。

 

柿次郎さんらHuuuuチームとはこれからもご一緒させていただく機会が多いと思うけれど、これまでのように引っ張っていってもらうだけでなく、こちらからも何かしら有益なgiveを与え続けられる関係になるように、これからも自分らしい人生を歩んでいきたい。

 

 

プロフィール

安居 昭博(やすい あきひろ)

1988年生まれ。Circular Initiatives&Partners代表。世界経済フォーラムGlobal Future Council on Japanメンバー。ドイツ・キール大学「Sustainability, Society and the Environment」修士課程卒業。京都市委嘱 成長戦略推進アドバイザー。2021年、日本各地でのサーキュラーエコノミー実践と理論の普及が高く評価され、「青年版国民栄誉賞(TOYP2021)」にて「内閣総理大臣奨励賞(グランプリ)」受賞。2021年より京都在住。著書に「サーキュラーエコノミー実践 ーオランダに探るビジネスモデル(学芸出版社)」。

 

おまおれエッセイ寄稿コンテスト開催中(9/30迄延長)

アイデンティティを他者との対話で探る。今回の本のポイントです。テーマ「おまえの中の柿次郎を教えてくれ」でエッセイを寄稿してみませんか?

10名の方におまおれ本と黒磯本をセットでお送りします。

 

※詳細・応募フォームはこちら

『おまえの俺をおしえてくれ』エッセイ寄稿コンテンスト 受付フォーム

 

 

書籍概要

https://huuuu-jp.stores.jp/

■商品情報■
・今、自分は「ある」よりも「ない」だと思っている人
・自分の生き方に選択肢が「ない」と思ってる人
・いつか「ある」状態になりたいと思ってる人

この本はそんな人にこそ読んでもらいたい。


タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

【一冊販売】『おまえの俺をおしえてくれ / 徳谷柿次郎』 | 風旅出版

【5冊卸販売】『おまえの俺をおしえてくれ / 徳谷柿次郎』6掛け 9/30迄 | 風旅出版

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「サービス精神に殺されないで!」(記:阿部光平)

柿さんと一緒にいて、楽しくなかったことがない。

 

初めて一緒に飲んだ森道市場、スナックで好き放題やらせてもらった函館、ハードな取材の後に2人で感極まって泣いた大阪の夜、騒ぎすぎて怒られた隅田川沿いの橋の上、終電で帰らなければならなかった長野の夜も楽しかった。

 

「どれもこれも楽しい思い出だ」なんて書くと平凡だが、これって実はすごいことなんじゃないかと思う。だって、会うと絶対に楽しいんだから。

 

ジモコロの取材ツアーは、いつもハードだ。日中は数件のインタビューをして、その地域の気になるお店に立ち寄る。合間に隙があれば温泉をねじ込んだりもするし、夜は決まって大宴会だ。次の日が早くても、いくところまでいく。

 

ある夜に、顔面から雪の中に突っ込んだ柿さんが「サービス精神に殺される!」と叫んでいたのを覚えている。みんなゲラゲラ笑っていたが、僕はその言葉に本当の柿さんを見た気がした。

 

思い返してみると、いつもそうだ。柿さんは率先して未知に突っ込み、「やってこ!」の一言で人を巻き込み、険しい山を超えて、みんなを楽しいところに連れて行ってくれる。あれは身を投げ打ったサービス精神なのだと考えると、不思議なほどすんなり腑に落ちる。

 

柿さんと一緒にいて、楽しくなかったことがない。だけど、柿さん、サービス精神に殺されないでくれ!歳をとっても一緒に取材に行こう!

 

 

プロフィール

阿部 光平(あべ こうへい)

編集・ライター・3児の父。5大陸を巡り、旅行誌やタウン誌で文章の仕事をはじめ、現在はWEBをメインにコンテンツを制作。地元・函館と全国各地を行き来しながら、『IN&OUT-ハコダテとヒト-』【http://inandout-hakodate.com】というローカルメディアも運営している。

 

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※詳細・応募フォームはこちら

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・自分の生き方に選択肢が「ない」と思ってる人
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この本はそんな人にこそ読んでもらいたい。


タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

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「たまにしか会わない女より。」(記:竹中陽子)

柿ちゃんとの出会いは6年前、夫に連れられてライター・編集者男子飲み会にお邪魔した時だった。

 

途中で夫が席を外し、私だけ初対面でなんとなく気まずい中、柿ちゃんは「ようこさ〜ん、竹中さんはいつも金出させてくんないんすよ~、なにで恩返ししたらいいんすか~」と夫の男気を教えてくれつつも、サラリと会話の仲間に入れてくれた。

 

あれ、すごく嬉しかったな。

あの場に誰がいたのか全く覚えてないけど、柿ちゃんの一言だけは覚えている。

 

みんな出会い方は千差万別だけど、私みたいな経験をして柿ちゃんに惚れ込んだ人も多いんじゃなかろうか。

 

こんな風に、柿ちゃんはいつも周りに気を配ってサラリとフォローしているんだろうな。

だって、いつも柿ちゃんの周りには誰かがいるから。

 

Huuuuがギルド型だから業務上、編集者・ライター・取材対象者が周りにいるのは当たり前なんだけど、やることやったら帰ってね、みたいなドライな関係ではなく、コトが終わってもなんとなく一緒にいてつながっている感覚が残っているようなウェットな関係に見える。

 

ドラクロワの『民衆を率いる自由の女神』のジャンヌダルクみたいに旗を振って圧倒的な見た目や雰囲気で「あ、この人がリーダーだ!」ってわかる感じじゃなく、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』みたいに同じテーブルに座っていても「あ。この人を信じてみよう」って思えるキリストっぽい雰囲気が柿ちゃんにはあるよね。それがウェットな信頼関係構築の肝なのかな。

 

普段は物静かでニコニコしてておしゃべりのトーンも淡めなやさしい柿ちゃんの目から狂気が滲み出る長野の迷イベント「やってこ!」に至っては、ウェットというか、沼だけど。

 

柿ちゃんは、それぞれの沼に棲む酔狂おじさん達をシンカイに集結させ同じテーブルに座り、おじさん達の目がバキバキになるまで「やってこー!!」と叫んで、小学生が下ネタでキャッキャ盛り上がるようなテンションの夜に発破をかけ続け、おじさん達の中に蠢くフラストレーションを全解放させ、酒で洗い流し、温泉に浸けて仕上げる。

 

明け方まで続くやってこ狂宴は、出店者全員を死人のような目と肌に変えるけど、不思議とみんなスッキリしているように見える。そして、酔狂おじさん達はまた沼の中にある面白いの根っこを探しに出かけて、1年後くらいにまた柿ちゃんに呼ばれて嬉々として集結するんだよね。

 

この時の柿ちゃんの細い目の奥からは、誰にも何にも期待していないような、いつ何がどうなってもいいし、むしろどうにかなっちゃえ、という余裕すら滲み出ているように見える。

ハードボイルド少年期の柿ちゃんが見え隠れするのかな。

 

”ニコニコ優しい柿ちゃん” のイメージがある一方で、実は地上から5cmくらい浮いてて、物理的に触れられる距離にいるのに心は遥か彼方にあって、そばにいる人をちょっと不安にさせる感じもある。

重力に逆らってフワフワと浮いている柿ちゃんが、強い風に乗ってどこかに飛んでいってしまわないように、持ち回りで誰かが袖をキュッと掴んでいるみたい。

 

いや待てよ、風がいつも強風だとはかぎらないな。

ああ、そうか。柿ちゃんは磁石なのか。

 

一度触れたら離れがたい磁力が柿ちゃんの皮膚から滲み出ていて、反応してしまったら最後。その魅惑的な磁力に抗えない。職業、役職、年齢、性別、地域、共通点がありそうでなさそうな人々が無意識に柿ちゃんに吸い寄せられていく。逆も然りで、柿ちゃんも強力な磁力に呼応して全国を飛び回っているのかもしれない。

 

その磁力は、どんどん強くなっている気がする。

50歳になった柿ちゃんは40歳よりも、もっと魅力的になるね、きっと。

 

 

プロフィール

竹中 陽子(たけなか ようこ)

CHANCE THE CURRYの便利な女。兼タケナカリーの嫁。転職回数7回、引っ越し回数8回の風気質。

 

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アイデンティティを他者との対話で探る。今回の本のポイントです。テーマ「おまえの中の柿次郎を教えてくれ」でエッセイを寄稿してみませんか?

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タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

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