「それ、いいっすね〜〜」
「え、どういうことですか?」
「マジすか、めちゃめちゃやばい」
「それ、興味しかないです」
僕の中で柿さんは、好奇心に繋がるものはどんなものであれ、わかりやすい言葉でドリルのように掘っていく人だと思っている。
とにかく共感し、とことん寄り添い、わからないものを見つけると粘りつくように迫っていく。
目の前にある「よくわからないの塊」が、その好奇心を通じて掘りに掘られた時、元々そこに興味がなかった人も好きになるような、いい感じのカタチに収まっていく。
わかりやすい答えよりも、わかりにくいものを選んでいく。
誰もがいいねと言ってるものより、自分がいいと思うものを好きになる。
広い世界を見つめながら、狭い世界がお互いで繋がるような風通しをつくっていく。
その時、一人でも、誰かと一緒でも、こう言うのだ。
「やってこ!」
この合言葉を唱えると、誰かがやってくる。
そしてお祭りが始まる。
おじさんもおばさんも、お兄さんもお姉さんも、子供も年配の方も、一緒にやってこの空間に混ざっていく。
場を編集し、誰かの創作をそこに混ぜ、モノと人と場所の新しい出会いが生まれていく。
多分、周りから見たらよくわからない集団だと思う人も多いだろうし、実際にそうだろう。そこには「利益」とか「ミートアップ」とかそういう分かりやすい目的はなく、なんとなく「やってこ!」を合言葉に集まっているから。
好奇心のままに汗をかき、楽しむためにモノをつくり、知らないものと出会うために酒を飲む。
その真ん中には一番「わからない」顔をして、ニコニコと立っている柿さんがいる。
※※※
ただ個人的にはちょっと心配だ。
筋と、縁と、好奇心を毎日毎夜と繋ぎ止めた結果、キャパを超えた動きをしてるようにも見える。
「やってこ!」の魔法をかけすぎて、ボロボロかもしれない。
柿さんの家に行くと、日本中のあらゆる有難そうな霊薬やお茶、食品が所狭しと置かれている。
ときおり、僕も好奇心からあらゆる場所で出会ったお茶やお灸を柿さんに振る舞う。
HPやMPが0になりかけた時にチャージをすると確かに復活はする(ような気にはなる)。
だけどいつ切れるかわからない、細い細い、撚り糸になってしまっているかもしれない。
※※※
好奇心は尽きないし、「よくわからないの塊」は年々増える一方だ。
だけど、20〜30歳代の頃のような、これまでと同じような動きはできない。少しずつ減っていく体力と徐々に機能が弱まる体の機能面は、経験とチームワークと直感で補っていくのだ。
お互い40歳を超えたので、健康的な「やってこ!」の合言葉をかけていきましょうね。
せーの、ゼンブツナガッテルズ!
プロフィール
望月 重太朗 もちづき・じゅうたろう)
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科卒。博報堂アイ・スタジオを経て、2019年にデザイン、教育、R&Dをテーマとした REDD inc.を設立。サービス/プロダクト開発、新規事業開発、デザイン戦略開発、クリエイティブ教育プログラムの開発、海外との協業によるデザインメソッド開発などに従事。2022年よりHuuuuの外部取締役も務める。
おまおれエッセイ寄稿コンテスト開催中(8/20〜9/16)
アイデンティティを他者との対話で探る。今回の本のポイントです。テーマ「おまえの中の柿次郎を教えてくれ」でエッセイを寄稿してみませんか?
10名の方におまおれ本と黒磯本をセットでお送りします。
※詳細・応募フォームはこちら
『おまえの俺をおしえてくれ』エッセイ寄稿コンテンスト 受付フォーム
9/16 出版記念イベント開催@東日本橋CITAN
東京@東日本橋のホステル「CITAN」で出版記念トーク&販売会やります。トーク相手に柳下さん、石崎くん。DJはスリーパーさん。
40歳誕生日にかこつけて、お祝いに本を買ってもらう商魂たくましい催しです。
※イベント詳細・参加はこちら
書籍概要
■著者プロフィール■
徳谷柿次郎
1982年大阪生まれ。長野県在住。新聞配達と松屋のシフトリーダーを経て、26歳のときに背水の陣で上京し、コンテンツメーカー「有限会社ノオト」へ潜り込む。2011年に「株式会社バーグハンバーグバーグ」入社。バックオフィス、広報、WEBディレクター、ライター編集職を経て2017年に満を持して独立し、「株式会社Huuuu」を設立。全国47都道府県のローカル領域を軸に活動している。どこでも地元メディア『ジモコロ』編集長7年目。長野県の移住総合メディア『SuuHaa』を立ち上げたり、善光寺近くでお土産屋『シンカイ』を運営したり、自然と都会の価値を反復横とびしている。
■商品情報■
・今、自分は「ある」よりも「ない」だと思っている人
・自分の生き方に選択肢が「ない」と思ってる人
・いつか「ある」状態になりたいと思ってる人
この本はそんな人にこそ読んでもらいたい。
タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者 :徳谷柿次郎
出版社 :風旅出版
発行元 :Huuuu
定価 :定価 大人1,800円(税別)
判型 :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日 :2022年9月16日(40歳)
目次(抜粋)
1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ
寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)
※この商品は「予約販売」となります。
ご予約(ご購入)いただいた方には、9/16より順次発送させていただきます。
■おしらせ■
学割 対面販売キャンペーンをやります!
・長野市『シンカイ』実店舗
・9月16日 出版イベント@CITAN(東日本橋)
・9月18日 出版イベント@シンカイ(長野市)
「本読みたいけど、お金がないよ!」とお嘆きの学生向けに対面販売限定の格安販売キャンペーンを行います。上記の店舗、全国出版ツアーのイベント会場に来てもらって「学生証」を提示してもらったら、野口英世×1=「1000円(税込)」で販売。いつか出会える「おまえ」のために「おれ」が足を運んで、ギリギリ価格で攻めます。定価で買ってから値下げのキャッシュバックはできないのでご注意ください(そりゃそうだろ!)。
柿次郎×土門蘭 出版カウンセリングRADIO