おまえの俺をおしえてくれ

9月16日出版 徳谷柿次郎の書籍『おまえの俺をおしえてくれ』寄稿エッセイブログ

「経営者が経営に飽きるとき」(記:柳下恭平)

寄稿「おまえの俺を教えてくれ」

経営者が経営に飽きる時。


僕は今まで幾度となくそういう場面に出会い、その度にたまらない気持ちになってきた。


その人が無責任だとは思わないし、能力がないとも思わない。結局、この世界には70億人が暮らしていて、700億くらいの価値観と、7000億くらいの理由がある。だから、なるようにしてなるし、なるべくしてなる。そこを責めようとは思わない。ただ、その度に僕はたまらない気持ちになるんだ。

 

経営なんて言葉を使わず卑近に言えば、それは恋愛でも仕事でもいい。恋人が色恋に飽きるとき。働き手が職能に飽きるとき。僕はその度にたまらない気持ちになる。


つまりね、意図があって関係性を捨てるならいいし、意志を持ってスタイルを変えるならいい。暴論だけれどその方が、僕は清々しいとさえ思っているから。


僕はそういう人に、なんとなく諦めるなよ、と思ってしまうし、自分が選んでないってフリをするなよ、と思ってしまう。つまり、結局、要するに、その人が自分のことを自分じゃないことだってフリをするとき、それを飽きると僕は言うんだ。


ねえ、僕らの身体の中には大きなエゴがあるでしょう? まるでアボカドの種みたいに。もしかしたら、認めたくないかもしれないけれど。それでも、みんな持っているでしょ? それを知っていて、知らないフリをする。


そういうのって、たまらないよね。

 

さあ、経営とか恋愛とか仕事とか、そんな特殊な状態じゃなくて、もっと当たり前な言葉を使おう。


ある人が自分の人生に飽きるとき。そんな状況がもっとも分かりやすいかもしれない。それを、僕の好きな本に書いてあった言葉を引くならば、つまり、僕たちは誰でも自分の人生を経営している、ということになる。自分の人生に飽きるのってナンセンス。ね、そういう人を見るとたまらない気持ちになるでしょう?


でも、それは誰にでも起こり得るんだ。

 

そして、柿次郎くんは自分の人生に飽きない男だ。


僕は彼をそう見ている。興味がなくて取りこぼすことはあっても、キャパが足りなくてウヤムヤになることはあっても、彼は彼の人生に飽きることはない。すべての行動に、すべての行動の前の言葉に、すべての言葉になる前のアイデアに、必ず意図も意志もあるから。


それがつまり飽きないということ。

 

拾うことはあるだろう。

捨てることもあるだろう。
でも、きっと飽きることはない。
それが僕が知る柿次郎くんという男で、そういうのってとても好きだな。

 

プロフィール

柳下 恭平 (やなした・きょうへい)
1976年生まれ。書籍校閲専門の会社『鴎来堂』代表、書店『かもめブックス』店主。
さまざまな職種を経験、世界放浪ののち、出版社に勤務。28歳のときに校正・校閲の専門会社 鴎来堂を立ち上げる。2014年11月、東京神楽坂に『かもめブックス』をオープン。ほか、池袋の梟書茶房などを手掛ける。

 

 

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9/16 出版記念イベント開催@東日本橋CITAN

東京@東日本橋のホステル「CITAN」で出版記念トーク&販売会やります。トーク相手に柳下さん、石崎くん。DJはスリーパーさん。

40歳誕生日にかこつけて、お祝いに本を買ってもらう商魂たくましい催しです。

 

※イベント詳細・参加はこちら

www.facebook.com

 

 

書籍概要

■著者プロフィール■
徳谷柿次郎
1982年大阪生まれ。長野県在住。新聞配達と松屋のシフトリーダーを経て、26歳のときに背水の陣で上京し、コンテンツメーカー「有限会社ノオト」へ潜り込む。2011年に「株式会社バーグハンバーグバーグ」入社。バックオフィス、広報、WEBディレクター、ライター編集職を経て2017年に満を持して独立し、「株式会社Huuuu」を設立。全国47都道府県のローカル領域を軸に活動している。どこでも地元メディア『ジモコロ』編集長7年目。長野県の移住総合メディア『SuuHaa』を立ち上げたり、善光寺近くでお土産屋『シンカイ』を運営したり、自然と都会の価値を反復横とびしている。


■商品情報■
・今、自分は「ある」よりも「ない」だと思っている人
・自分の生き方に選択肢が「ない」と思ってる人
・いつか「ある」状態になりたいと思ってる人

この本はそんな人にこそ読んでもらいたい。


タイトル :おまえの俺をおしえてくれ
著者        :徳谷柿次郎
出版社    :風旅出版
発行元    :Huuuu
定価        :定価 大人1,800円(税別)
判型        :変形四六判(113 mm ×182mm)
発売日    :2022年9月16日(40歳)

 

目次(抜粋)

1)自分で自分を編集する
2)異常でしたね。執着が。
3)セロトニンがでない部屋
4)おまえすごいな、最高やな!
5)「遊ばなきゃ」っていう意識
6)ずっと下唇震えてましたからね、急に決断迫られて
7)自分にとって一番いい栄養分があるところに容赦なく動ける
8)おまえの俺をおしえてくれ

寄稿「おまえの俺をおしえてくれ」
小林直博/原宿/宮脇淳/シモダテツヤ/小野田弥恵/MOTOKO/塩谷舞/カツセマサヒコ/納谷ロマン/小倉ヒラク/藤本智士/友光だんご/石崎嵩人(敬称略)

 

huuuu-jp.stores.jp


※この商品は「予約販売」となります。
ご予約(ご購入)いただいた方には、9/16より順次発送させていただきます。


■おしらせ■
学割 対面販売キャンペーンをやります!

 

長野市『シンカイ』実店舗
・9月16日 出版イベント@CITAN(東日本橋
・9月18日 出版イベント@シンカイ(長野市

 

「本読みたいけど、お金がないよ!」とお嘆きの学生向けに対面販売限定の格安販売キャンペーンを行います。上記の店舗、全国出版ツアーのイベント会場に来てもらって「学生証」を提示してもらったら、野口英世×1=「1000円(税込)」で販売。いつか出会える「おまえ」のために「おれ」が足を運んで、ギリギリ価格で攻めます。定価で買ってから値下げのキャッシュバックはできないのでご注意ください(そりゃそうだろ!)。

 

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